下肢静脈瘤の種類と症状について

一次性静脈瘤と二次性静脈瘤

下肢静脈瘤は足の皮膚のすぐ下にゴブのようなものができる症状が有名ですが、発生原因により一次性静脈瘤と二次性静脈瘤に大きく分けられます。静脈のうち、皮膚のすぐ下にある表在静脈に起こるものが一次性静脈瘤で、深部にある深部静脈に起こるものが二次性静脈瘤です。下肢(脚部)の静脈には深部静脈系と表在静脈系があって、下肢の血流のほとんどは深部静脈から心臓に戻っており、表在静脈によって運ばれている血液は約1割だとされています。

一次性静脈瘤は、静脈の弁不全が原因となっており、ほとんどの下肢静脈瘤は一次性静脈瘤です。
足の静脈は重力に逆らって血液を心臓に戻す必要があるため、逆流を防ぐ弁が付いています。この弁が、加齢や行き過ぎた運動などの要因によって働かなくなると血液が逆流し、たまった血液によって血管がコブ状に浮き出た状態を一次性静脈瘤と呼びます。表在静脈そのものに原因があり、保存的治療と外科的な手術治療が可能になります。

二次性静脈瘤は深部静脈に血栓ができて血流が途絶え、表在静脈の血流が増加して静脈瘤が起こります。
原因には、表在静脈がかかわっておらず、深部静脈血栓症や骨盤内腫瘍、血管性腫瘍、妊娠などが原因であり、それが深部静脈の循環障害を起こし、静脈瘤を発症します。
二次性静脈瘤では、表在静脈が足の血液を心臓に返す重要な役割を担っています。そのため、手術ではなく内科的治療が必要です。

下肢静脈瘤のタイプ

大伏在

下肢静脈瘤のタイプ大伏在静脈は、足にある表在静脈の中で最も高頻度に静脈瘤を形成します。大伏在静脈は足首の内側から上に伸び、足の付け根で深部静脈に合流します。大伏在静脈瘤は、大伏在静脈本幹だけでなく、主要分枝に発生することがあり、下腿から大腿部内側、下腿の外側、大腿部の背側に発生します。

小伏在

大伏在静脈瘤の次によく見られる静脈瘤です。小伏在静脈は、アキレス腱の外側から伸びて膝の裏で深部静脈合流する表在静脈です。足首の後ろや膝の後ろに発生します。

側枝型

下肢静脈瘤のタイプ伏在静脈本幹から枝分かれした静脈の拡張によってできるものが側枝静脈瘤(分枝静脈瘤)です。主に膝から下の部分に見られ、孤立性のことがあり、特徴として伏在静脈瘤よりやや細いことが挙げられます。

陰部

卵巣や子宮周囲の静脈から逆流してきた血液により作られるため、卵巣や子宮への血行が増える月経時などに症状が強くなることが特徴です。足の付け根から太ももの裏側にボコボコとした蛇行血管が斜めに走り、それが下腿まで広がっていたら、陰部静脈瘤の可能性があります。

網目状・クモの巣状

下肢静脈瘤のタイプ直径径2~3㎜の細い皮下静脈が網目状に広がっているのが網目状静脈瘤です。もう一方のクモの巣状静脈瘤とは、直径0.1~1㎜とさらに細い真皮内静脈瘤です。この2つの静脈瘤では、ボコボコしたコブのような盛り上がりは起こりません。

放置するリスク

下肢静脈瘤は放置しても自然に改善することはなく、症状は少しずつ悪化していきます。重症化すると湿疹や脂肪皮膚硬化症などの「うっ滞性皮膚炎」を合併し「潰瘍」になる可能性もあります。

通常、60歳前後をピークにその後はあまり悪化しなくなりますので、高齢の方はそれほど心配する必要はありませんが、40~50代でつらい症状があったり、見た目が気になるようでしたら早めに専門医に診てもらうことをお勧めしています。

うっ滞性皮膚炎や潰瘍を合併した段階でも治療可能ですが、回復が遅くなったり、皮膚炎の跡が残る可能性があります。できればその前に治療を検討してください。

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