小児鼠径ヘルニアについて

子どもの鼠径ヘルニアについて

子どもの鼠径ヘルニアについて小児外科を受診する中で、最も外科手術が多いのが鼠径ヘルニアであるほどよくある病気です。乳児や幼児の場合、ほとんどが先天性のものになっています。
鼠径部(足の付け根)には筋膜があって腸などの内臓が皮膚の下に飛び出さないようにしています。この筋膜が閉鎖せず、皮膚の下に内臓が飛び出してしまうのが鼠径ヘルニアです。乳幼児の鼠径ヘルニアでは、本来産まれる前に閉じるべき腹膜が閉じずに残存することが原因となっています。

子どもの鼠径ヘルニアの症状

お腹に力が入る状態の時に、足の付け根に膨らみが出てきます。赤ちゃんが泣いている時や、オムツ交換などの際に見つかることもありますが、1歳6ヶ月検診や3歳検診などで見つかることもよくあります。
症状が悪化するとかなり強い痛みが出て、吐き気を伴う場合もあるため、鼠径部や陰嚢の腫れや大陰唇の膨らみなどがないかを確認し、早めに発見してあげてください。

放置した場合

子どもの鼠径ヘルニアは自然に治る可能性は低く、緊急に治療を受けなければ危険な「嵌頓(かんとん)」状態に進行する可能性があります。嵌頓状態になると痛みを伴い、放置すると腸だけでなく卵巣や精巣に血行障害などの問題が生じる可能性があります。卵巣や精巣の摘出が必要になるケースもあり、壊死や出血性梗塞(こうそく)につながりかねません。膨らみがあるようでしたら嵌頓を起こす前に必ず専門医を受診してください。

男児と女児の違い

子どもの鼠径ヘルニアについて子どもの鼠径ヘルニアは、先天的な原因がほとんどであり、女児よりも男児の方が発症しやすいとされています。症状は男女で違いがありますので、それに注意して観察する必要があります。

男児の場合

男児の睾丸は出産が近付いてきた時期に陰嚢まで下がってきますが、この時に腹膜まで一緒に引っ張られてしまうことがあります。引っ張られた腹膜が袋状になって、そこに腸などの組織が入ってしまうことで発症します。
男児の鼠径ヘルニアでは、太ももの付け根から陰嚢部にわたって腫れやしこりが発生し、ほとんどは、赤く腫れあがる症状が現れます。陰嚢が腫れる病気は他にもあるため、専門医の診断が重要になります。

女児の場合

女児の場合は、出産が近付いてきた時期に「ヌック管」と呼ばれる管が下がってきますが、これが腹膜を一緒に引っ張ってしまうことがあります。引っ張られた腹膜が袋状になって、そこに腸や卵巣などの組織が入り込んで発症します。
卵巣が出ている鼠径ヘルニアが捻転を起こして嵌頓状態になると、卵巣摘出が必要になる可能性もありますので注意が必要です。

子供の鼠径ヘルニアの原因

子どもの鼠径ヘルニアは、胎児期に腹膜にできてしまったでっぱりが、閉じることなく産まれてくることが原因であり、遺伝によって発症するケースもあると考えられています。

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